生地には大きく分けて、英国製と伊国製があります。ざっくり言うと英国製が落ち着いた色柄で肉厚、伊国製が甘い色合いで柔らか。冬のロンドンに来るとその理由を垣間見ることができます。ロンドンでは私が住む北陸の冬のようなどんよりとした空からの光、しとしと降る雨。イタリアは地中海性気候の明るい光と乾いた空気とは明らかに違います。こういう気候風土によって生地が育まれたと考えると腑に落ちます。
生地選びの時にはお客様がその洋服を着る際の状況を丁寧にお聴きして、英国製か伊国製かを判断してお勧め致します。もちろん、どちらにも重なる品質のものもあるので、臨機応変に生地を探し出します。